美保薬局

福島県いわき市の美保薬局は、漢方薬とスキンケア指導でアトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・ステロイド外用剤
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ニーハオトンシン

2012年01月

不死身だと思っていましたが・・・

ニーハオトンシン 2011年11~2012年1月 合併号 岡部美保

 2007年に脳梗塞で倒れ、その時すでに、主治医の先生から「覚悟して下さい。」と言われたにもかかわらず、奇跡的な回復で、2010年に再発するまでの3年間、普通に生活をし、大好きなお酒も止めず、毎日1万歩を目標にリハビリを頑張っていました。

 2010年の脳梗塞の再発で意識が無くなった時、意識の回復は望めません・・・という主治医の先生の説明で、家族で相談した結果、延命治療はしませんでした。
それでも父は、まだまだ生きたかったのでしょう。そこから、一年以上、ベットの上で、動けず、話せないながらも、懸命に生きていました。

3月11日のあの地震を、ベットの上で・・・どんな思いで体験していたのでしょう。人一倍怖がりだったので、きっともの凄く怖かったんじゃないかと思います。
ただ、家に一人でいたわけじゃなく、安全な病院だったので安心出来ました。

10月には、父の大学時代の同級生が全国各地から会いに来てくれました。
そして、11月に祖母のみよ(健治の母)が亡くなり、父は、寝たきりながらも、ちゃんと息子として見送ることが出来ました。
父は、私たちとの意思疎通が出来なかったにしても、もしかしたら耳は聞こえているかもしれないと思い、祖母が亡くなったことは、知らせずにいました。
ただ、病院内の雰囲気などから父も察知していたかもしれません。私たちの勝手な想像ですが、もしかしたら、順番として親を見送ってから自分が・・・という思いがあったのかと・・・・・。

11月29日に祖母が亡くなって、みんなが少し落ち着いてきたころ、年をまたぐことなく、12月23日に意識がないなか一年以上も懸命に生きてきた父が亡くなりました。 命日が天皇誕生日なんて!!きっと父のことだから、天国で、「俺の命日だから祝日なんだよ~」なんて、みんなに言っていることでしょう。

自宅に戻ってきた父はとても穏やかな顔になりこの一年で何だか若返ったようでした。
父が亡くなった報せを聞いて、顔出しに来て下さった方々も、父の思い出話をたくさん話しながら、涙を流して下さいました。

12月27日にお通夜、28日の告別式を行ないましたが、父が現役を離れて、一年以上になるにも関わらず、通夜では、会場に入りきれないほど大勢の方がいらして下さり、お客様もたくさんの方が弔問に来て下さいました。
何年も前に来店下さっていたお客様や、なんとなく、今は疎遠になってしまった方なども来て下さり、もしかしたら父がそういった方々に会わせてくれたのかな~と・・・。
父が亡くなったことでも、たくさん涙は流れましたが、弔問に来て下さった方々の今にも泣きそうな顔を見て、また涙が流れました。 
通夜に来て下さったお客様が「昔、先生には怒鳴られて、泣いたりして、その時は若かったからわからなかったけど、今はあんな風に怒ってもらえてすごくありがたかった。先生にその時のお礼もまだちゃんと言ってなかったから…絶対お通夜にはいきたいと思ったんです。」と言って下さいました。
また、私の中学校時代の友人も通夜に来てくれたのですが、「顔見てって~」と言うと、「こんな茶髪じゃ、おじちゃんに怒られちゃう!おじちゃんには昔よく怒られたもんね~」と言いながら泣いてくれました。

一年間、動けず、話もできず、寝たきりの状態が続き、片時もじっとしていられなかった父には、相当の苦痛だったんじゃないかと思います。
だから家族では、「お父さん、楽になれたから、良かったよね」と話してはいますが・・・・・やっぱりまだ、生きててほしかった・・・
脳梗塞が再発するきっかけになった、2010年に階段から転落したのもお酒を飲んでしまってのことでしたが、正直、私は、もっともっと、父と私の友達やいろんな人たちと楽しいお酒を飲みたかった・・・

私はまだまだ子供だったので、父が脳梗塞になった後、威厳のある父ではなく、頼りなくなってしまったことを受け止めることが出来ませんでした。
だから、父の辛さをわかってあげることも、優しい言葉をかけてあげることも出来ませんでした。親孝行も出来ず、本当に後悔ばかりですが・・・・・ 
人間らしく、ユーモアのある人生で、とても情に厚かった父を誇りに思います!!

生前父は、ことあるごとに「俺の葬送の曲は絶対“北の国から”にしてくれ!」と言っていましたので、通夜、告別式の時には、ずっと、北の国からを流してもらいました。
父にとっては、最期をたくさんの方々に見送っていただき、最高だったと思います。
本当に、本当にありがとうございました。
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